秩父で人気の低山・鐘撞堂山から円良田湖へ (第63回 歩こう会)
「たまには歩こう会」の今年の納めとなる山行は、好天に恵まれた平成25年11月23日(土・勤労感謝の日)に5名のメンバーが参加して、紅葉の真っただ中、秩父の低山・鐘撞堂山(標高330m)に登り、円良田湖から羅漢山を経て少林寺に下り、「簡保の宿・寄居」で汗を流して英気を養った。
東武東上線とJR八高線それぞれに寄居駅北口に集合したのが午前10時、駅前の街路樹は黄色く色づいて日に照らされ鮮やかだ。この日は駅近くの町役場の広場がクラシックカーパレードの出発点になっており、大勢の人々で賑わっていた。
体育館の角を右折して東へ進みしばらくして左折、国道140号線を横切って直進するとやがて人家が途切れる辺りにあるのが大正池だ。大正六年に作られた灌漑用の小さな池で東屋やトイレがあり、数組の人々が休憩したり、写真撮影などをしていた。
我々も小休止の後、10時40分に出発。すぐに山あいの草深い車道となり、傾斜もやや急になってきた。やがて人家が見えて、中年の男性が畑にいたが、そこは竹炭を作る工房のようであった。この先のY字路の手前で小休止の後、指導票に従い右の細い山道に入る。
沢沿いの急な坂道をひと登りして廃屋の前を通り、雑木林を過ぎて尾根道を行く。やがてT字路になり、直進すると円良田湖だが右手の鐘撞堂山方面へ向かう。すぐに急な階段となりえっちらおっちら最後のひと踏ん張り。
登りきったところが鐘撞堂山の山頂で、標高330mの山頂は広く平坦で東屋があり、展望が良い。紅葉もまだ残っていた。11時を過ぎたばかりだが、数組の家族連れなどがやや早い昼食タイムをとっていた。
我々一行も景色を見ながらひと休み。展望台に上がって眺めると、南には大霧山など比企丘陵の山々、西には両神山など秩父・奥多摩の山並みが見えた。この日は霞んでいてはっきりとはしなかったが北側には日光連山も望めるという。眼下には寄居の街並みが広がっていた。遥かに都心方面のビル群が遠望され、「スカイツリーが見える」とのメンバーの声に目を凝らしてみたが幹事の老眼には写らなかった。
先ほどの急な石段を注意しながら降りて、「あんずの里」への道を右に分け、今度は円良田湖方面に向かう。途中から簡易舗装の道になり快調に下る。下りきった辺りに茶店の跡があり、あたりの紅葉は目が覚めるようだ。羅漢山への登り口の下を通り湖岸へ出た。円良田湖は標高156m。ヘラブナやワカサギ釣りのメッカでこの日も数人の釣り人が湖面に作られた釣り場で釣り糸を垂れていた。湖の周囲は4km で春には1,500本の桜が見事だという。湖を背景に記念写真を撮り、羅漢山へ。
羅漢山へは整備された階段を登り20分ほどだ。標高247mの山頂には釈迦如来の石像が祀られており、3歳くらいの子供を連れた老夫婦がお参りしていた。ただちに下りにかかる。少林寺へ降りる道は二つあるが、右手の石造りの羅漢像が立ち並ぶ道を選んで五百羅漢を見ながらジグザグに下った。石仏群は様々な格好や表情をしており、印象深い。やがて少林寺に到着。午後1時近くになっていた。
少林寺は室町時代末期(1511年)創建の曹洞宗の寺院で本尊は釈迦牟尼仏。境内の紅葉が見事だ。本堂の扉を少し開けてお参りし、広い参道へ。
国道140号の手前を右折して波久礼駅方向へ向かう。民家の点在する車道を時々左折や右折しながら行くと30分ほどで波久礼駅の手前の踏切から右折して急坂を登る。ここへ来ての登りに喘ぎながらやっとこさ簡保の宿「寄居」に到着。午後1時半になっていた。真っ赤に紅葉した楓の並木がお出迎え。よく見ると地方巡業の関取衆の記念植樹であった。
日帰り温泉にランチバイキングが付いて1,600円だがレストランは午後2時までの受付なので先に昼食にする。レストランはかなり広くて遅い時刻にもかかわらず30人ほどが食事していたがまだ席には十分余裕があった。ビールを頼んであとは各自適当に好みを選んでのプチ宴会。食後の入浴はかなり混んでいたが、ぬるめのアルカリ性単純泉で山行の疲れを洗い流し、15時15分発の送迎バスで寄居駅まで。
今年の最後を飾る歩こう会をかくしてつつがなく終えることができた。
参加者(阿萬和水・生田陽代・竹上英文・溝部憲治・梅谷覚雄)以上5名