隅田川七福神と向島百花園 (第75回 歩こう会)

 今年三度目の歩こう会は、4月2日(土)。3月末から4月上旬の天気予報は、雨や曇りの連続で晴天はほとんど望めない状況なので心配していたが、この日は、気温は低いものの天気の崩れは免れそうであった。

 天候は曇りでやや肌寒かったが、隅田公園の約640本の桜はほぼ満開。折しも隅田区の桜まつりの最中で、枕橋から桜橋までの土手の上には出店なども出ていた。

 浅草吾妻橋西詰を午前9時に出発。吾妻橋を渡ってリバーピア吾妻橋(アサヒビール本社・吾妻橋ホールなど)の前を通り、墨田区役所脇を抜けて枕橋から隅田公園に。途中、区役所手前にある勝海舟銅像の下を通る。数人が階段を登って銅像を写したりした(台座の文字は勝安房)。

 隅田公園は関東大震災の復興事業の一環として整備されたもので、公園内には桜のほか緑が豊富で釣り掘りもある。言問橋の手前右手に牛嶋神社(王子権現)があるので立ち寄り参拝。祭神は素戔嗚の命ほか二柱。江戸時代から(撫で牛)の風習がある。境内には小梅稲荷も祀られている。(09:20~09:30)

 言問橋の東詰を越えて墨堤通りを進むと右手にすみだ郷土文化資料館が見えて来るが素通りして、その先の小梅小学校と三囲神社の間を抜けて見番通りへ。料亭や見番所などのある小路で向島らしい雰囲気が残っている。

 三囲神社は見番通りを左に回り込んだ所にあり、祭神は宇迦御魂之命。もともとは村社であったが俳人宝井其角が当地に立ち寄り、雨乞いの要請を受けて「遊ふた地や田を見めぐりの神ならば」の句を神前に奉じたら翌日降雨があったとも伝わる。

 享保年間に三井家の守護神となった。境内には三井家100年の当主達の顕名霊神がある。また三井グループ各社で作る「三井会」が年4回祭礼をも催しており、元池袋三越前のライオン像も寄贈されている。そのほか隅田川七福神の内恵比寿および大黒を祀っている。(09:40~09:50)

 墨堤通りに戻って桜橋へ向かう。階段を登って桜橋の前に出ると大勢の人が散策していた。堤の左手の方向には出店が並んでいて賑やかだ。(10:00)

 次の目的地弘福寺が右手下方に見える。再び階段を下りて裏口に着くと、門が閉まっていて入れないので結局、見番通りまで戻って正面から参拝。五頭山弘福寺は黄檗宗の寺院で本尊は釈迦如来だが、隅田七福神の布袋尊を祀っているほか、咳止め信仰の爺婆も安置されており、咳止飴を売っていた。(10:10)

 弘福寺に隣接して長命寺がある。天台宗の寺院で本尊は阿弥陀如来、宝寿山常泉寺と称したが、寺内にある井戸は徳川家光が鷹狩の途中、不快のため休憩した折、この井戸水で薬を服用したちまち快癒したことで、長命水と名付け、併せて寺号を長命寺と命名したもの。境内にはこのほか松尾芭蕉の「いざさらば 雪見に転ぶところまで」の句碑がある。また隅田川七福神の弁財天を安置している。境内を抜けた右手に「長命寺桜もち・山本屋」があり、大勢の人が並んで10時半の開店を待っていた。(10:20)

 墨堤通りに戻って左折するとそこが「言問団子」。店内には椅子やテーブルがあり、その場で食べても持ち帰ってもいいそうだ。中はかなり混雑していた。皆ここで土産にすると注文したが、出来上がるまで随分時間がかかる。雑談しながら待っていたら全員の土産分が揃ったのは11:00を過ぎていた。

 言問団子の店を後に向島百花園に向かう。隅堤通りを直進、志満ん草餅や吉備子屋(きびだんご)の先子育て地蔵を右折向島百花園の角を左折して向島百花園の入口に着いた。数人の参加者が昼食を持参していなかったので近くのコンビニで弁当を購入するため、立ち寄ったので入口でしばらく待っていた。

 入園料は150円(65歳以上は70円)。土日はボランティアガイドが案内してくれる。この庭園は文化文政時代に日本橋の骨董商・佐原鞠槝が作庭し、その当時の文人・墨客が大勢支援して出来たもので、梅を主体とした庭園であったらしい。池を巡らし茶屋や東屋も配置されている。この時期は桜をはじめ、しらんや春蘭、ミツマタ等のほか春の七草も植えられていた。芭蕉や文人たちの碑が点在し、ガイドの説明を聞きながら園内を一回り。七福神の内の福禄寿はうっかりスキップしてしまった。

 ベンチのあるところでガイドにお礼を言って別れ、昼食タイムとした。東京スカイツリーを眺めながら歓談のひととき。(11:30~13 :00)

 昼食を終えて出発、墨堤通りへ出て5分ほどで白髭神社へ。白髭神社は旧寺島村の鎮守で祭神は猿田彦、別称を七福神のうち寿老人になぞらえている。(13:05~13:15)

 白髭神社を後に墨堤通りを北に進み、白髭橋東詰から左へ降りると白髭公園に入る予定であったがマンションなどが立ち並んでいて入口が分からずにずんずん進んでしまった。この辺りの隅田川沿いの土手上は桜並木となっていた。水神大橋を渡って鐘ヶ淵駅へ通じる通りと鐘ヶ淵陸橋で交差する墨堤通りをそのまま行くとカネボー物流・運動広場の脇を抜け多門寺に着いた。

 多門寺の山門は茅葺きで風情がある。隅田山吉祥院多門寺は真言宗・智山派の寺院で本尊は毘沙門天、別名は多聞天で寺号の由来だ。毘沙門天は弘法大師の策とも伝えられ、隅田川七福神に挙げられている。山内には六地蔵の安置されている。(14:00~14:30)

 多門寺を後に鐘ヶ淵駅へ。(14 :30 ~14:45)(この辺り一帯は池波正太郎の小説「剣客商売」の主人公・秋山小兵衛の隠宅があるところだ)東武伊勢崎線・鐘ヶ淵駅発15:00―15:11浅草駅着・解散。

参加者(生田陽代・葛城征志・田川俊夫・ヒロ子・竹上英文・福島克己・松永幸一・戸次笛子・松岡幸秀・溝辺憲治・用正靖彦・梅谷覚雄) 以上12名

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