2014年 日本一の「おんせん県おおいた」
大分県東京事務所おんせん県おおいた課長 阿部万寿夫(第59回)
「自信満々でおんせん県ち言うたら、まぁネットで叩かるる叩かるる。まさに滑って転んでおお痛けんやわ(笑)」。昨年、大分県が制作した26本のCM動画の一コマです。CM動画は、関西・福岡を中心にTV放映する等、おんせん県をPRしました。CMには地元の素人が方言丸出しで出演し、人情味や心温まる笑いを表現しました。幸運にも、おんせん県の商標登録出願をめぐる各県とのバトルが注目され、ネットや新聞、TVなど様々なメディアで話題となり、動画の再生回数は40万回を超え、広告換算費は約12億円に達するなど、大分県による初めてのCM動画は高い評価を頂きました。
要潤の「うどん県(香川県)」、有吉弘行の「おしい!広島県」など、ご当地出身タレントを起用した動画の制作や、熊本県の「くまもん」に代表されるゆるキャラの展開など、今や全国の自治体はPR戦国時代の様相を呈しています。
2006年を境に日本は人口減少社会へ移行しました。しかも少子高齢化。これは地方自治体にとって、今後、定住人口の増が難しくなるということであり、死活問題です。ならば、交流人口の増を目指そうと言う論理になり、そこで思いつくのは観光振興による地域活性化。政財界も2000年代初頭に観光等による地域振興の取組を声高に叫び始め、2008年には観光庁が創設されました。一方、地方自治体としては、観光客に来て貰うにも地域の特産品を購入して貰うにも、まずは認知度や地域のブランド力のアップが肝心とPR活動に躍起になっている訳です。
各自治体では、各々の強みを生かしたPRを行っていますが、我が大分県と言えば、何と言っても日本一の温泉。日本中の源泉数の18%、湧出量の10%を誇ります。しかも、泉質も豊富。全世界に11種類あると言われる泉質の内、大分県には放射能泉を除く10種類が存在します。また、青(例:由布院温泉 庄屋の館)、黄(例:筌の口温泉 新清館)、白(例:明礬温泉 岡本屋)に緑(例:長湯温泉 大丸旅館)と言った色とりどりの温泉もあれば、泡だらけになる炭酸泉(例:七里田温泉)や冷たい冷泉(例:寒の地獄温泉)、果ては砂湯(例:別府海浜砂湯)や泥湯(例:明礬温泉 別府保養ランド)、全国屈指pH1.4の強酸性泉(例:塚原温泉 火口乃泉)なんて個性派温泉も揃っています。なかでも最近話題なのは、泉質の異なる2つの温泉に入浴し、それぞれの効能の相乗効果が期待できる「機能温泉浴」。例えば、クレンジング効果のある硫黄泉(例:明礬温泉)の後、保湿効果のあるメタケイ酸の温泉(例:鉄輪温泉)に入るとお肌のシャンプーとリンス効果が期待できると評判です。このような機能温泉浴が出来るのも、異なる泉質の温泉が密集している大分県ならではの話。当に「日本一のおんせん県」だと自負しています。
大分県では、昨年のCM成功に気を良くし、今年は東京事務所に「おんせん県おおいた課」を創設して首都圏でのPR活動に本腰を入れることとなりました。しかし、全国の情報が集中し、官民共に情報合戦にしのぎを削る首都圏でのPRは簡単ではありません。大阪や福岡で流したCMも、東京では何億円もの経費がかかるためTV放映は難しい状況です。おんせん県おおいた課に課されたハードルは極めて高いですが、課員9名のフットワークと地縁、血縁、知人、友人等のネットワークを駆使して、東京のメディアを中心に、温泉をはじめとする大分県の素晴らしい情報を売りこんでいきたいと考えています。そこで頼りとするのは東京四極会の皆さんをはじめとする四極会のネットワークです。ここは一つ、四極会の皆さんの力を借りて、我等が「おんせん県おおいた」の認知度を飛躍的に高めていただきたいと考えています。
皆様、何卒よろしくお願いします。